「よろこび ひろげよう ちいさな ぼくたちだけど
 あのあおい そらのように・・・」   [あの青い空のように]

 

 

 

お別れのうた が遊戯室に広がった。

赤ら顔と潤んだ目・・・ 一年間の思いが溢れる先生の姿に共感を覚えた。

大きく開けた口とまっすぐな歌声に 今までのきみの記憶をたどる訳で・・

心から君の軌跡に 奇跡を感じ 幸せを感じられた今日は

特別な日となった。

 

帰りの車中、幼稚園の思い出話に花を咲かせる僕たちに

「これからどうする」と尋ねる君に「そうだなぁと~」考える僕。

「おいしい物でも食べに行きますか!」 「いいね~!」との

一連の掛け声がいつもに増して響き渡る車は 

暖かい陽気と共にぐんぐん進む。

きみが通う小学校近くを通った頃 きみの目の覚めるような一声が車中を貫く。

「あ 桜が咲いてる!」

 もう 君の中では 始まっているのかな。